【2026年版】家事按分とは?在宅ワーク経費の計算方法を徹底解説
家事按分(かじあんぶん)の計算方法を詳しく解説。家賃、電気代、インターネット代など在宅勤務の経費を正しく計上する方法を、面積按分・時間按分の具体的な計算例付きでご紹介します。

免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、税務・法務のアドバイスではありません。個別の状況については、税理士等の専門家にご相談ください。
はじめに:在宅ワークの経費、どこまで計上できる?
「自宅で仕事をしているけど、家賃や電気代は経費にできるの?」
コロナ禍以降、リモートワークが一般化しました。自宅で仕事をするフリーランスや個人事業主にとって、家事按分(かじあんぶん)は節税の重要なポイントです。
この記事で分かること:
- 家事按分とは何か
- 按分できる経費の種類
- 具体的な計算方法(面積按分・時間按分)
- 税務調査で認められるためのポイント
- よくある間違いと注意点
1. 家事按分とは?
1.1 基本の考え方
家事按分とは、自宅を事業と私生活の両方で使用している場合に、経費を事業使用割合に応じて分けて計上する方法です。
例えば、家賃10万円の自宅で仕事をしている場合、仕事に使っている割合が30%なら、月3万円を経費として計上できます。
1.2 按分が必要な理由
税務上、経費として認められるのは事業に直接関係する支出のみです。自宅の家賃や電気代には私生活での使用分も含まれるため、全額を経費にすることはできません。
家事按分のメリット:
- 自宅兼事務所でも経費計上が可能
- 正しく計算すれば税務調査にも対応できる
- 節税効果が大きい
2. 家事按分できる経費の種類
| 経費項目 | 按分の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃 | 面積按分 | 仕事部屋の面積 ÷ 総面積 |
| 電気代 | 面積按分 or 時間按分 | どちらでも可 |
| ガス代 | △ 限定的 | 事業で使う場合のみ |
| 水道代 | △ 限定的 | 事業で使う場合のみ |
| インターネット代 | 時間按分 | 仕事時間 ÷ 総使用時間 |
| 携帯電話代 | 時間按分 or 通話履歴 | 業務使用割合 |
| 住宅ローン利息 | 面積按分 | 元本は不可、利息のみ |
| 固定資産税 | 面積按分 | 自己所有の場合 |
| 火災保険料 | 面積按分 | 自己所有・賃貸どちらも |
3. 計算方法【面積按分】
3.1 基本の計算式
経費計上額 = 総額 × (仕事スペースの面積 ÷ 自宅の総面積)
3.2 具体例:家賃の場合
条件:
- 自宅の総面積: 60㎡
- 仕事部屋の面積: 12㎡
- 月額家賃: 12万円
計算:
按分割合 = 12㎡ ÷ 60㎡ = 20% 月額経費 = 120,000円 × 20% = 24,000円 年間経費 = 24,000円 × 12ヶ月 = 288,000円
節税効果 (所得税率20%の場合):
288,000円 × 20% = 57,600円の節税
3.3 専用スペースがない場合
リビングの一角で仕事をしている場合も按分は可能です。
方法:
- デスクを置いているスペースの面積を測定
- または、部屋全体の面積 × 仕事で使う時間の割合
4. 計算方法【時間按分】
4.1 基本の計算式
経費計上額 = 総額 × (業務時間 ÷ 総使用時間)
4.2 具体例:電気代の場合
条件:
- 月額電気代: 15,000円
- 1日の在宅時間: 16時間
- 1日の仕事時間: 8時間
計算:
按分割合 = 8時間 ÷ 16時間 = 50% 月額経費 = 15,000円 × 50% = 7,500円 年間経費 = 7,500円 × 12ヶ月 = 90,000円
4.3 具体例:インターネット代
条件:
- 月額インターネット代: 5,000円
- 週の業務使用時間: 40時間
- 週のプライベート使用時間: 20時間
計算:
按分割合 = 40時間 ÷ 60時間 = 66.7%(約70%) 月額経費 = 5,000円 × 70% = 3,500円
5. 税務調査で認められるためのポイント
5.1 合理的な根拠を持つ
税務調査では、按分割合の合理的な根拠を説明できる必要があります。
認められやすい根拠:
- 間取り図と仕事スペースの面積
- カレンダーや勤務記録
- 通話履歴(携帯電話の場合)
5.2 証拠書類を残す
| 証拠書類 | 用途 |
|---|---|
| 間取り図 | 面積按分の根拠 |
| 賃貸契約書 | 家賃の証明 |
| 公共料金の明細 | 金額の証明 |
| 作業日報・勤務記録 | 時間按分の根拠 |
5.3 按分割合の目安
一般的に認められやすい按分割合の目安:
| 経費項目 | 一般的な按分割合 |
|---|---|
| 家賃 | 10%〜50% |
| 電気代 | 20%〜50% |
| インターネット | 50%〜80% |
| 携帯電話 | 30%〜70% |
⚠️ 按分割合が高すぎると税務調査で否認されるリスクがあります。
6. 家事按分の年間シミュレーション
典型的なフリーランスのケース:
| 経費項目 | 月額 | 按分割合 | 月額経費 | 年間経費 |
|---|---|---|---|---|
| 家賃 | 100,000円 | 25% | 25,000円 | 300,000円 |
| 電気代 | 12,000円 | 40% | 4,800円 | 57,600円 |
| ガス代 | 5,000円 | 10% | 500円 | 6,000円 |
| 水道代 | 4,000円 | 10% | 400円 | 4,800円 |
| インターネット | 5,000円 | 70% | 3,500円 | 42,000円 |
| 携帯電話 | 8,000円 | 50% | 4,000円 | 48,000円 |
| 合計 | 38,200円 | 458,400円 |
節税効果 (所得税率20%+住民税10%=30%の場合):
458,400円 × 30% = 約137,500円の節税
7. よくある質問(FAQ)
Q1: 賃貸でも按分できる?
A: はい、できます。賃貸でも持ち家でも家事按分は可能です。賃貸の場合は家賃と管理費、持ち家の場合は住宅ローン利息と固定資産税が対象になります。
Q2: 住宅ローンは経費にできる?
A: 住宅ローンの元本は経費にできませんが、利息部分は按分して経費計上できます。
Q3: 按分割合は毎年変えていい?
A: はい、状況が変われば変更可能です。ただし、大幅な変更は根拠を明確にしておく必要があります。
Q4: 副業でも按分できる?
A: はい、副業でも事業所得として申告する場合は家事按分が可能です。ただし、給与所得の副業(雑所得)の場合は認められないことがあります。
Q5: マンションの共益費は?
A: 共益費・管理費も家賃と同様に按分して経費計上できます。
8. 注意点とよくある間違い
8.1 やってはいけないこと
❌ 全額を経費計上する — 必ず按分が必要
❌ 根拠なく高い按分割合を設定する — 税務調査で否認リスク
❌ 毎月按分割合を変える — 一貫性が必要
❌ 証拠書類を残さない — 調査時に説明できない
8.2 青色申告と白色申告の違い
| 青色申告 | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 家事按分 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 按分の自由度 | 高い | やや低い |
| 必要な記録 | 帳簿が必要 | 簡易な記録 |
まとめ
家事按分を正しく活用すれば、在宅ワーカーでも年間数十万円の節税が可能です。
覚えておくべきポイント:
1. 面積按分か時間按分を選択 — 経費の種類によって適切な方法を 2. 合理的な按分割合を設定 — 高すぎると否認リスク 3. 証拠書類を保管 — 間取り図、契約書、作業記録 4. 一貫性を持つ — 毎年同じ基準で計算 5. 専門家に相談 — 不安な場合は税理士へ
2026年確定申告の期限: 3月16日(月)
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参考文献・出典
1. 国税庁タックスアンサー「家事関連費」 2. 国税庁「必要経費の範囲」
最終更新: 2026年2月
著者: Denpyoコンテンツチーム


