【2026年版】医療費控除のやり方完全ガイド|10万円の壁と計算方法を解説

【2026年版】医療費控除のやり方完全ガイド|10万円の壁と計算方法を解説

医療費控除の対象・計算方法・確定申告のやり方を2026年最新情報で解説。10万円以下でも控除できる場合や、家族合算の方法、セルフメディケーション税制との違いも。還付金シミュレーション付き。

2026年1月11日
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【2026年版】医療費控除のやり方完全ガイド|10万円の壁と計算方法を解説
免責事項:この記事は一般的な情報提供を目的としており、税務・法務のアドバイスではありません。個別の状況については、税理士等の専門家にご相談ください。記載内容は2026年1月時点の情報に基づいています。開示:この記事はDenpyoのブログです。Denpyoはレシート管理・経費管理サービスを提供しています。

はじめに

「今年は医療費がかさんだ...確定申告で取り戻せるって聞いたけど、どうやるの?」「10万円超えないと意味ない?」「病院の領収書、捨てちゃったかも...」

医療費控除は、知っているかどうかで数万円〜数十万円の還付金を受け取れるかが変わる、非常に重要な制度です。しかし、対象になる医療費や計算方法が複雑で、せっかくの控除を見逃している人も多いのが実情です。

この記事では、医療費控除の基本から確定申告のやり方まで、2026年最新情報で徹底解説します。

この記事で分かること

  • 医療費控除の対象になる費用・ならない費用
  • 「10万円の壁」の真実と計算方法
  • 家族の医療費を合算する方法
  • e-Taxでの申告手順
  • セルフメディケーション税制との違い
  • 還付金シミュレーション

1. 医療費控除とは

1.1 基本的な仕組み

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超過分を所得から控除できる制度です。

  • 所得控除の一種(税額控除ではない)
  • 確定申告が必要(年末調整では適用されない)
  • 還付申告の場合、1月1日から申告可能

出典国税庁タックスアンサー No.1120

1.2 控除額の計算式

医療費控除額 = 支払った医療費 - 保険金等で補填された金額 - 10万円(または総所得の5%)

控除の上限は200万円です。

1.3 「10万円の壁」の真実

よく「医療費が10万円を超えないと控除されない」と言われますが、これは半分正解、半分間違いです。

総所得金額足切り額
200万円以上10万円
200万円未満総所得金額×5%

:総所得150万円の場合、足切り額は150万円×5%=7.5万円となり、医療費8万円でも控除対象になります。

パートやアルバイトで収入が少ない方は、10万円未満でも医療費控除を受けられる可能性があります。

2. 対象になる医療費・ならない医療費

2.1 対象になる医療費【一覧】

カテゴリ対象となる例
診療・治療費病院・診療所での診察、入院費用、手術費用
医薬品処方薬、市販の治療用医薬品(風邪薬、胃腸薬等)
通院交通費電車・バス代、やむを得ない場合のタクシー代
歯科治療虫歯治療、歯周病治療、義歯、治療目的の矯正
出産費用分娩費、入院費、妊婦健診、不妊治療
介護介護保険サービスの自己負担分の一部
あん摩・はり治療目的のマッサージ、鍼灸、柔道整復
眼科メガネ(医師の処方による)、コンタクト(治療用)
人間ドック異常が見つかり治療に移行した場合

出典国税庁タックスアンサー No.1122

2.2 対象にならない医療費【要注意】

カテゴリ対象外の例
美容目的美容整形、審美歯科、ホワイトニング
健康増進サプリメント、健康食品、ビタミン剤
予防目的予防接種、人間ドック(異常なしの場合)
日用品マスク、消毒液(治療目的でない場合)
差額ベッド代個室を希望した場合の差額(病院都合なら対象)
交通費自家用車のガソリン代・駐車場代、通常のタクシー代
眼科近視矯正のレーシック(対象になる場合も)

迷ったら「治療のため」か「美容・予防のため」かで判断しましょう。治療目的なら対象になる可能性が高いです。

2.3 よくある質問:これは対象?

項目対象?理由
インプラント治療目的の歯科治療
矯正(子供)発育に必要な治療
矯正(大人・美容目的)×美容目的は対象外
レーシック治療目的なら対象の場合も
コンタクトレンズ治療用なら対象、視力補正のみは対象外
市販の風邪薬治療目的の医薬品
栄養ドリンク×医薬品でないもの

3. 家族の医療費も合算できる

3.1 「生計を一にする」家族とは

医療費控除は、本人だけでなく生計を一にする家族の医療費も合算できます。

  • 同居している配偶者・子供・親
  • 別居でも仕送りで生活を支えている家族
  • 単身赴任中の配偶者
  • 一人暮らしの子供(学費・生活費を負担)

出典国税庁タックスアンサー No.1180

3.2 誰が申告するのがお得?

家族の医療費は、所得が高い人が申告した方が節税効果が大きくなります。

:医療費控除額20万円の場合

申告者所得税率還付額(概算)
夫(税率20%)20%4万円
妻(税率10%)10%2万円

夫が申告した方が2万円お得です。ただし、所得200万円未満の人は足切り額が10万円より低くなるため、状況によっては低所得者が申告した方が有利な場合もあります。

4. 医療費控除の計算方法

4.1 基本の計算式

医療費控除額 = (A)年間の医療費総額 - (B)保険金等で補填された金額 - (C)足切り額

  • (A) 年間の医療費総額
  • (B) 保険金等で補填された金額(高額療養費、保険給付金等)
  • (C) 足切り額(10万円 or 所得×5%の少ない方)

4.2 計算例

ケース1:年収500万円、医療費50万円、保険給付10万円

項目金額
(A) 医療費総額50万円
(B) 保険給付10万円
(C) 足切り額10万円
控除額50万円 - 10万円 - 10万円 = 30万円
還付額(税率20%)30万円 × 20% = 6万円

ケース2:年収150万円(所得100万円)、医療費8万円

項目金額
(A) 医療費総額8万円
(B) 保険給付0円
(C) 足切り額100万円 × 5% = 5万円
控除額8万円 - 0円 - 5万円 = 3万円
還付額(税率5%)3万円 × 5% = 1,500円

10万円未満でも還付を受けられます。

4.3 注意:保険金等の取り扱い

保険金等で補填された金額は、その医療費からのみ差し引きます

:出産費用50万円(出産育児一時金42万円受給)、風邪の治療費1万円

  • 間違い:(50万円 + 1万円) - 42万円 = 9万円
  • 正解:(50万円 - 42万円) + 1万円 = 9万円

出産費用からマイナスになる場合でも、他の医療費からは差し引きません。

5. セルフメディケーション税制との違い

5.1 セルフメディケーション税制とは

2017年に始まった制度で、特定の市販薬を年間1.2万円以上購入した場合に控除を受けられます。

項目医療費控除セルフメディケーション
足切り額10万円(or所得×5%)1.2万円
上限額200万円8.8万円
対象医療費全般スイッチOTC医薬品のみ
併用不可(どちらか選択)

5.2 どちらを選ぶべき?

状況おすすめ
医療費が10万円超医療費控除
医療費10万円未満、市販薬1.2万円超セルフメディケーション
両方該当計算して有利な方を選択

両方を同時に適用することはできません。

出典国税庁タックスアンサー No.1129

6. 確定申告のやり方【手順解説】

6.1 必要な書類

  • 医療費の領収書(または医療費通知)
  • 源泉徴収票
  • マイナンバーカード(e-Taxの場合)
  • 振込先口座情報

6.2 e-Taxでの入力手順

Step 1確定申告書等作成コーナーにアクセス

Step 2:「作成開始」→「e-Tax」または「書面」を選択

Step 3:収入・所得を入力(源泉徴収票の内容)

Step 4:所得控除の入力画面で「医療費控除」を選択

Step 5:医療費の入力方法を選択

  • 医療費通知を使う:健康保険組合から届く通知書があれば簡単
  • 領収書から入力:1件ずつ入力または医療費集計フォーム利用

Step 6:医療費を入力

  • 医療を受けた人の氏名
  • 病院・薬局の名称
  • 医療費の区分
  • 支払った金額
  • 保険金等で補填された金額

Step 7:控除額を確認して送信

6.3 領収書の保管

e-Taxの場合、領収書の添付は不要ですが、5年間の保管義務があります。税務署から求められた場合に提出できるよう、大切に保管してください。

Denpyoなら医療費の領収書もスマホで撮影するだけで簡単にデジタル保存。5年間の保管義務も安心です。

7. 医療費控除の領収書がない場合

7.1 医療費通知を活用

健康保険組合から届く「医療費通知」(医療費のお知らせ)があれば、領収書がなくても控除を受けられます。ただし、以下の内容が記載されている必要があります:

  • 被保険者等の氏名
  • 療養を受けた年月
  • 療養を受けた者
  • 療養を受けた病院・薬局等の名称
  • 被保険者等が支払った医療費の額

7.2 領収書を再発行してもらう

領収書を紛失した場合、病院や薬局で再発行してもらえることがあります(手数料がかかる場合も)。

7.3 交通費の記録

通院交通費は領収書がなくても控除可能です。以下を記録しておきましょう:

  • 通院日
  • 利用した交通機関
  • 区間
  • 金額

出典国税庁「医療費控除の明細書の作成」

8. 還付金シミュレーション

8.1 医療費別の還付金目安

所得税率20%(課税所得330万円〜695万円)の場合:

医療費総額控除額(10万円差引後)還付金目安
15万円5万円約1万円
20万円10万円約2万円
30万円20万円約4万円
50万円40万円約8万円
100万円90万円約18万円

住民税の軽減効果(約10%)も別途あります。

8.2 出産した年の還付金

出産費用が高額になった年は、医療費控除で大きな還付が期待できます。

モデルケース:出産費用60万円、出産育児一時金50万円、妊婦健診5万円

項目金額
出産費用 - 一時金60万円 - 50万円 = 10万円
妊婦健診5万円
その他医療費3万円
合計18万円
控除額18万円 - 10万円 = 8万円
還付金(税率20%)約1.6万円

9. よくある質問(FAQ)

Q1: 去年の医療費を申告し忘れた場合は?

A:還付申告は5年間遡って申告できます。2024年分は2029年12月31日まで申告可能です。

Q2: 保険適用された分も対象?

A:はい、自己負担分は対象になります。3割負担で支払った金額が控除対象です。

Q3: 高額療養費との関係は?

A:高額療養費として還付された金額は、医療費控除の計算時に差し引きます。医療費控除は、実際に自己負担した金額が対象です。

Q4: 歯医者の自費治療は?

A:治療目的(インプラント、義歯等)であれば対象です。ただし、金歯や審美目的のセラミックなど、治療と美容の境界線上のものは税務署に確認することをおすすめします。

Q5: 家族がバラバラに払った場合は?

A:誰が支払ったかに関わらず、「生計を一にする家族」の医療費は合算できます。最も所得が高い人が申告するのが一般的です。

まとめ

医療費控除のポイントをおさらいします。

  • 10万円の壁は絶対ではない:所得200万円未満なら所得×5%が足切り
  • 家族の医療費を合算できる:生計を一にする家族全員分
  • 所得が高い人が申告するとお得:税率が高いほど還付額が増える
  • 領収書がなくても医療費通知でOK:保険組合から届く通知を活用
  • 5年間遡って申告できる:過去の申告漏れも取り戻せる

医療費が多かった年は、ぜひ確定申告で税金を取り戻しましょう。Denpyoを使えば、医療費の領収書も日々の経費もまとめて管理でき、確定申告の準備がぐっと楽になります。

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参考文献・出典

最終更新:2026年1月

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